横尾忠則の冥土旅行兵庫県政150周年記念事業 開館5周年記念展

ポスターデザイン:横尾忠則

「人は死んだらどこへ行くのか?」とは、いずれ死にゆく私たちが抱かずにはいられない謎に満ちた疑問です。「死」を自らの重要なテーマと位置づけ、様々な死のイメージを作品に投影してきた横尾忠則が、グラフィックデザイナー時代から現在にいたるまで一貫して関心を持ち続けたのも「死後の世界」のあり方でした

西洋文学の傑作・ダンテの『神曲』において、主人公ダンテは生きながらにしてあの世へと迷い込み、地獄・煉獄・天国の光景を目にします。1970年、横尾が雑誌『平凡パンチ』誌上に発表したヌード写真には、この『神曲』のイメージが重ねられ、19人の裸の女性たちによって展開される様々な場面が異境的な情景として映し出されました。また、96年から始まる「赤」の絵画シリーズでは、横尾が少年時代に見た空襲で真っ赤に染まった夜空を原風景としつつ、此岸と彼岸、日常と異界とが画面を覆う赤い色彩によって結びつき、見る者の意識を世界の「向こう側」へと導きます。そして、最新作である女性のポートレート・シリーズにおいては、描かれた女性たちは顔の一部を石や蛙やキャベツといったオブジェによって唐突に覆い隠されることで、実体を失った不可解な存在として私たちの前に現れるのです

本展は、横尾の作品を通じた死後の世界への冒険旅行です。横尾はつねに死後の世界を想像し、「死の側から生を見る」ことで、自らの生き方を見つめてきました。こうした横尾のまなざしを、作品世界を通して追体験する場となれば幸いです

会期
2018年2月24日(土)〜5月6日(日)
開館時間:10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)※入場は閉館30分前まで
休館日:月曜日[ただし4/30(月・振休)は開館、5/1(火)は休館]
会場
横尾忠則現代美術館
主催
横尾忠則現代美術館([公財]兵庫県芸術文化協会)、読売新聞社
後援
兵庫県、兵庫県教育委員会、神戸市、神戸市教育委員会
助成
公益財団法人 花王芸術・科学財団
協力
ホテルオークラ神戸
観覧料

一般     700(550)円
大学生    550(400)円
70歳以上   350(250)円
高校生以下  無料

※( )内は20名以上の団体および前売料金
※70歳以上は前売はいたしません
※前売券は1月2日(火)から2月23日(金)までローソンチケット(Lコード:54364)および楽天レジャーチケットで一般、大学生のみ販売
※ローソンチケットおよび楽天レジャーチケットは当日券(一般、大学生のみ)も販売しています
※障がいのある方(70歳以上除く)は各観覧料金の半額。その介護の方(1名)は 無料
※割引を受けられる方は、証明できるものをご持参のうえ、会期中美術館窓口で入場券をお買い求めください
※兵庫県立美術館の特別展または県美プレミアムのチケット半券をご提示いただくと、横尾忠則現代美術館の企画展が団体割引料金でご覧いただけます

関連事業
  • 加橋かつみライブ

    出演:加橋かつみ、珠希真利
    日時:4月14日(土)16:00〜
    会場:当館オープンスタジオ
    定員:120名(申込不要・先着順)
    参加費:無料、ただし要展覧会チケット

  • 天台聲明ライブ

    日時:4月28日(土)15:00〜17:00
    会場:当館オープンスタジオ
    出演:天台聲明兵庫社会奉仕会
    定員:100名(申込不要・先着順)
    参加費:無料

  • キュレーターズ・トーク

    講師:当館学芸員
    日時:3月10日(土)、4月7日(土)、4月21日(土) いずれも14:00〜14:45
    会場:当館オープンスタジオ
    参加費:無料、ただし要展覧会チケット

  • ワークショップ「○○の女ーヨコオ流・仮面変身術」

    講師:当館スタッフ
    日時:3月24日(土)13:30〜16:00
    会場:当館オープンスタジオ
    参加費:無料
    対象:どなたでも
    定員:20名(要申込)

《キャベツの女》 2017年 作家蔵 
《カギの女》 2017年 作家蔵
《ヒキガエルと女》 2017年 作家蔵
《神曲》 1994−2013年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)
《天の足音》 1996年 作家蔵(広島市現代美術館寄託)
《アーティストの河》 1987年 個人蔵
《死んだ私に目覚める》 2009年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)
《死の島でY氏の死の幻想を見たターザン》 1999年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)