横尾忠則展 カット&ペースト切った貼ったの大立ち回り

ポスターデザイン:横尾忠則

横尾忠則の作品では、イメージを本来の場所から引き剥がし(cut)、新たな文脈へと投げ込む(paste)、いわゆる「コラージュ」的な手法が多用されています。それは横尾の出自がグラフィックデザイナーであったことと無関係ではありませんが、作家自ら「生きることはコラージュそのものかも知れない」と語るとおり、「コラージュ」は単なる一技法の域を超えて、もはや横尾芸術における思想的な支柱となっています。そういう意味では、あらゆる横尾作品に「コラージュ」的な要素を認めることができますが、本展ではそれが最も先鋭的かつ直接的なかたちで現れた’80年代末〜’90年代初めの時期にあえて着目します
’80年代末、切り裂いたキャンバスを重ね合わせた、いわゆる「多次元絵画」により物質的かつ重層的な絵画空間を追求していた横尾ですが、’90年代に入るとそれらを同一平面上に展開することで、まるで万華鏡のような華麗なイメージを現出させるようになります。さらに1993〜94年には、コンピューター・グラフィックによる作品が集中的に制作され、イメージは仮想空間において文字どおり過剰なまでにカット&ペーストされるのです

本展では、このように「コラージュ」をめぐる造形的な実験性が先鋭化し、その展開のうえで最もドラマティックな時期のひとつである’80年代末〜’90年代初めに着目することで、横尾芸術の本質に肉薄することを試みます

会期
2015年4月18日(土)〜7月20日(月・祝)
開館時間:10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)※入場は閉館30分前まで
休館日 :月曜日[ただし5月4日(月・祝)、7月20日(月・祝)は開館、5月7日(木)は休館]
会場
横尾忠則現代美術館
主催
横尾忠則現代美術館([公財]兵庫県芸術文化協会)、神戸新聞社
後援
兵庫県、兵庫県教育委員会、神戸市、神戸市教育委員会、サンテレビジョン、ラジオ関西
助成
芸術文化振興基金
協賛
KAWS
協力
フリードマン・ベンダ、ホテルオークラ神戸
観覧料

一般       700(560)円
大学生      550(440)円
高校生・65歳以上 350(280)円
中学生以下    無料

※( )内は20名以上の団体および前売(高校生、65歳以上は前売なし)料金
※障がいのある方とその介護の方(1名)は各当日料金の半額(65歳以上除く)
※割引を受けられる方は、証明できるものをご持参のうえ、会期中美術館窓口で入場券をお買い求めください
※前売券はローソンチケットで一般、大学生のみ販売(Lコード:54117)
※ローソンチケットは当日券(一般、大学生のみ)も販売しています
※前売券の販売は3月1日(日)〜4月17日(金)。会期中は販売しません

関連事業
  • デヴィッド・チュードア「レインフォレストI」コンサート

    出演:小杉武久、和泉希洋志、GUILTY C.
    日時:5月23日(土)18:30、5月24日(日)15:00(2回公演)
    会場:当館オープンスタジオ
    音響協力:井上音響企画
    ※オールスタンディング
    ※参加無料、要展覧会チケット

  • 講演会「横尾忠則----カット&ペーストが織り成すコラージュの万華鏡」

    講師:河本真理(日本女子大学教授)
    日時:6月20日(土)14:00〜15:30
    会場:当館オープンスタジオ
    定員:100席(当日先着順、聴講無料、要展覧会チケット)

  • ワークショップ「くじ引きコラージュで遊ぼう!」

    日時:5月9日(土)13:30〜15:30
    会場:当館オープンスタジオ
    定員:15名
    材料費:300円
    対象:小学生以上
    ※小学生は保護者の付き添いが必要
    ※高校生以上の展示室への入場は要観覧券
    ※要申し込み、応募多数の場合は抽選

  • キュレーターズ・トーク

    講師:当館学芸員
    日時:4月25日(土)、7月11日(土)いずれも14:00〜14:45
    会場:当館オープンスタジオ
    定員:100席(当日先着順、聴講無料)

図録通販

本展の図録(税込 ¥2,200)の通信販売を行っております
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《薔薇の蕾と薔薇の関係》1988年 作家蔵(広島市現代美術館寄託)
《見えざる助力者》1989年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)
《溶解変化》1991年 高知県立美術館蔵
《地の鼓動》1993年 横尾忠則現代美術館蔵
《ディスガイズ》2006年 滝沢直己氏蔵
《デュシャンピアン》2010-2013年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)